ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.132000-132999 > No.132714「戯け話」

過去ログ  〜 過去ログ No.132714 の表示 〜


[132714] 戯け話
詩人:朱雀 [投票][編集]

爽(さや)けし小山の風樹の頂(いただき)

風見のカラスが見遣る先 

光りほのめく草の原

ひとり ほとほと歩きます


しばし進めば分かれ道

九尾の狐が取り澄まし

物知り顔で尋ねます


『愚か者なら右の道

虚(うつ)け者ならその左

ぬしは孰(いず)れを選り取るや?』


別に当てなど無いゆえに

気の向くままに右左

ここで頭を搾るなど

ゆめ更更に思わねど

気色ばむ目に煽られて

ついぞ歩みを進めた拍子 


―― 旋毛曲(つむじまがり)は

いずれ どのみち立ち戻る ――


乾いた笑いに掻き消され

もと居た小山の草の蔭 

夢に夢見る

逢魔が時の夕惑(ゆうまどい)

2008/10/09

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -