ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.133000-133999 > No.133167「米研ぎ」

過去ログ  〜 過去ログ No.133167 の表示 〜


[133167] 米研ぎ
詩人:はるか [投票][編集]




ジャッ ジャッ
ザッ ザッ


ジャッ ジャッ
ザッ ザッ


手の平きざむ
規則ただしいリズム


母さんとおんなじ音



『お米はね、こうやって研ぐんだよ』


あかぎれた指先が
散らばるつぶを
思いどおりにあやつる



『水を切るときは手を必ずそえてね、こぼさないよに大事にするの』


見よう見まねで
ふれた米は
あたしの小さな手を 
簡単に すりぬける



『だんだん出来るようになるからね』

って笑った母さん




ジャッ ジャッ
ザッ ザッ

ジャッ ジャッ
ザッ ザッ


釜の中に皆が見える


美味しいねって笑う
みんなの顔がある



母さん

今なら 
あたし分かるよ


母さんの気持ち


ようく分かるよ










2008/10/20

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -