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[13465] ナミダの海
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

もうずっと
その海に
肩までつかっている。

初夏の陽射しが溶け出し
揺れる波の
浅葱色

ここちよさに
もう このままでもかまわない、と
錯覚するほど。

雨が振り出しても
揺るぐことなく
肩までつかったままで

やがては
髪も肌も
溶け入る。
それを待っているのかもしれない

頬ではじける波しぶきの
冷たさが
ナミダ

目が覚めたら
こにはいられない

遠くの島まで泳いで
広葉樹の下で
雨宿りしよう。

揺さぶるのは 波

やがて
枯れる 海




涸れる ナミダ

2004/07/31

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