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[134775] ことばのつるぎ
詩人:千波 一也 [投票][編集]


ことばのつるぎに

触れるとき


死にはしない、という

あたらしい嘘が

また増える




 こごえる者には

 火を着せよ


 暑がる者には

 水を撃て




やさしいはずの真心の

墓標をだれか

よく見たか




ひとを

殺めるものは、つるぎ


たとえその手が

直接だれをも殺めなくても

語ることばを持つ者は

つるぎを遠く

離れない




 よろこぶ声には

 火を放て


 かなしい声は

 水底へ




ことばのつるぎに触れるとき

さばきの音は

こぼれゆく


しなやかに



満ちあふれて、

しなやかに


2008/11/17

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