詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
口を酸っぱくして言う親がふたり
君のためを思うから熱くなる
自分の子供のことだから他人ごとじゃないんだ
だからね 親は君にときとして本気で怒る
愛がある親ならみんななぐるときだって
だからあとですごい剣幕で怒ったお父さんも泣くんだね
お母さんは決まって泣いている僕にやさしい言葉で慰めをくれる
世界一憎くもあって世界一愛しい人だ
かわいさ余って憎さ百倍なのかな
どんなに怒られても自分をこの世界に生んでくれたお母さんや育ててくれたお父さんを嫌いになれない そこにはただの他人同士にはない紛れない命のあかしがあるから
それで笑える今や感謝できるときがあるんだ
愛をはかる天秤にはそんな人たちの幸せと愛をのせよう どちらが傾くともないおなじ重さのふたつを
いつか別れをする人だから
今のうちに言っておきたい
照れ屋のくせに感情的なお父さんなんかあとでうれしくて泣いちゃうのかもね
どんな言葉でも返せない恩恵をもらったのに親たちは何もいらないというようなまなざしでずっと僕が幸せでいられるように
自分たちの幸せより僕の幸せを怒るという形で導こうとしてた
僕はそれをわからずにただ逃げてた
結局はなにもかもあなたたちのおかげ
ありがとう
悲しみにさらされても涙をぬぐいまた歩き出せるのはあなたたちの影があるからだよ
僕があなたたちの子供じゃなくてもあなたたちはかわいがったの?
そしたら厳格なお父さんも涙流して僕の頭をなでておまえだからおまえなんだ
プライドや名誉や地位などすべて捨ててひとりの親としてのつとめを果たしたいと父はこぼした
母はその隣でハンカチで涙をぬぐってた
悲しみと喜びが混ざり合った気持ちが垣間見れた真夜中のリビング
何故か冬なのにあたたかい
あなたが親でよかった
おまえが子供でよかった
そんな言葉が堅い拳ひらかせてくれる
パー同士であいこだ さあもう一度最初から…