詩人:望月 ゆき | [投票][編集] |
路上の車の窓ガラスを
ツバメの低空飛行が横切る
それを見ないふりをして
7月はやってくる。
その間にもわたしは
あなたのことを見ている
アジサイの花びらで
四つ葉を作ってよ。
次の瞬間にはきっと
何もかもが可能になると
その間にもわたしは
しっかと
握りなおし たしかめた
手の中には
水色の傘、
だったか。
それとも
螺旋階段のてっぺん。
夕立を撒いて走りゆく
白い制服の彼ら
の頭上をかすめて雨雲は足早に
遠ざかる
その間にもわたしは
あなたのこときり 見つめられずに。
いつも
通り過ぎたあと、気づく。