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[144229] 伏竜
詩人:千波 一也 [投票][編集]



雨のなか、


竜が

咲いていた




それは


瞳が

見たのだったか、


耳が

聴いたの

だったか、



あまり上手に

思い出せないけれど、



 あ、お、



夏には遠い未熟な夏が

空へと一途に

澄み渡り、


ぬくもるような

胸の痛みが

目を

覚ます




雨のなか、


いまでも竜は

咲いている



透明に、

ひとつの雨の

無限を

翔けて



降りそそぎ、


降りそそぐ日を

咲いている


2009/05/31

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