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[146232] オオカミ
詩人:あかつき [投票][編集]


果てしない夜のやみでも
ぜんぜん恐くない

ひそむ月にむかって
凛々しく吠えてやる

例えこのまま独りきりでも
ぜんぜん構わない

群れて誤魔化さずに
勇ましく吠えてやる



でも本当のところは
不安でしかたがない

もしきみが知ったら
間違いなく笑うだろう


虚栄心を照らす月が
憎くて吠えている

群れの端の猜疑心が
恐くて吠えている

夜な夜な鏡に映った
自分にも吠える始末


眼を凝らし牙を研いで
孤独をえらぶのは
勇気じゃないよ

まして強さなんかでもない


ねぇ気づいている?

僕の不安が分かるのなら
うすぐらい月のしたで
あまいキスをおくれよ



『…ダレカ!!…』

2009/08/10

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