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[146305] 未必の恋または汚れなき殺意
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


自分の手を
汚すの嫌だから
罠を仕掛けた

あなたが
捕まってから
1ヶ月半

虫も殺さぬ顔で
屠殺場で解体された
牛たちをレアで食べる
無邪気な残虐さを
ソース代わりに

卑怯者と自分に呟いて
いつもの現実逃避で
ウェルダン
よく出来ました

キッチンの角
一匹じゃ広すぎる
厚紙の家の中
ミイラになってる筈の
あなたにまだ近付けない

あなたから見れば
わたしの方が
遅れて地球に来た
害虫なのに
お互い好きになれずに
1ミリも縮まらない距離

2009/08/13

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