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[149615] 屋根裏
詩人:トケルネコ [投票][編集]

この部屋には誰もいない

ただ赤と白と黒の柩が影を並べている


この部屋には誰もいない

白い柩には埋もれた声が眠っている

砕かれた波と 流れない雲と 諸々の太陽と月と星々の詩が


この部屋には誰もいない

黒い柩には干からびた石が詰まっている

立つべき足が 掴むべき腕が 流すべき数多の涙の化石達が


この部屋には誰もいない

赤い柩には錆きった鉄屑が散乱している

曲がった把手に 硬く冷たい錠に 儚く折れた小さな鍵が


この部屋には誰もいない

夕陽が溶けこむ

カーテンは淡いブルーの境界



この部屋にはもう・・・誰も来ない

2009/11/30

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