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[150676] やみ
詩人:おるふぇ [投票][編集]

崩れそうに、落ちていく
崩れそうに、落ちていく
この深い闇に、限界はないの
この深い闇に、助けはないの?

悲鳴に似た思いを
今日も抱きながら
くたびれた街を歩く
まだ若いというのに
瞳は年老いて
耳に飛び込んでくる
喧騒のノイズに
身を任せて歩いた
気づかないように
気づかれないように

きれいなことばかり
歌っているんだね
もう慣れてしまったよ
それがわたし自身の
軽さや薄さのように
感じられるようになったこと
咽の奥の奥にぎゅっと
綿のような柔らかい繊維が
いつまでも除けなくて
泣きたいことや
叫びたいことを
我慢すること
感じなくすること

甘い恋でもしてりゃ
このどうしようもない世界を
愛せるのだろうか
切なさや人恋しさに
毛布をかけて
ぶるぶる震えることも
なくなるだろうか
孤独という呪いも
溶けて消えて無くなるだろうか

感じないように
“いつものように”
淡々と歩き続ける
今日も上手くいくだろうか
何事もなく過ごせるだろうか
バッグの中に詰め込んだガラクタに
どうしようもない名前をつけるくせに
人は機械になりたがる
また冷たい土を被せ
また冷たい土を撒き
沈めていく、限りない闇の中に
懐かしい匂いも
あどけない手触りも

どうでも良くなっていた
けれど
どうでも良くないんだ
“いつものように”
呼んでおくれよ
わたしの名前を

冷たい土の中に埋もれた
言葉の出ないぬくもりを
あなたと一緒にまた
掘り当てたいんだ

助けを、呼んで
助けを、呼んで
崩れそうに、落ちていっても
まだ、この命に
残されたぬくもりで
光を探すよ

まだ“ありがとう”と言う余地は
この心にあるから

2009/12/01

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