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[161149] 秋風にさそわれて
詩人:どるとる [投票][編集]


この窓から見える景色はもう秋の色に染まり
葉っぱは黄色に朱に染まる

並木道を歩けば
なんだか肌寒くて
ポケットに手を入れ
黄昏てしまうよ

振り返れば
僕も大人になって
もっとしっかりしなくちゃと思うけど

風に吹かれて
心ふるえて
たどり着いた
夕闇の中
少しだけ優しすぎるだけ
それだけでいいような気がするから
これ以上背伸びする気はないのさ

ジャケットの襟を立ててまた歩き出す
並木道に背を向け
映画のラストシーンみたいにかっこうつけてさよなら

雨の気配 冷たい風が吹き始めて
葉っぱを散らす
窓の外は
木枯らしの子が騒ぐ

秋風にさそわれて
ふとドアを開けたら
そこはもう冬の街

白い時間が流れる。

2010/10/10

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