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[171122] メロウ
詩人:千波 一也 [投票][編集]


いらない人など

どこにもいないと云うのなら

いらない悲しみもきっと

どこにもない

いらない人というものが

もしもどこかに在るならば

目の前の喜びに怯える日々は

ずっと積もってしまうだろう



甘い果実もにがい果実も

内に秘めたはかなさは

どれもたがわず軽やかで

どれもたがわず重たくて



はかないものの別名は、永遠となる



一個だけでは成しえない

ひとりだけではたどり着けない

互いのちがいが消えないように

だれも同じく熟れてゆく



たとえどんなにはかないものも

ひとつ残らず結ばれて

ひとつ残らず永遠になる

たとえどんなにはかないものも





2011/09/17

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