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[178730] 風とトンビ
詩人:中村真生子 [投票][編集]

散歩をする人はまばらで

釣り人はまったくいないほど

強風が吹き荒れている朝。

海は白波と轟音を立て

川は逆波が立っている。

草木は激しくたなびき

人は押されそうになる。

人間にとっても

草木にとっても受難の朝。

けれど彼は違う。

そう、トンビにとっては…。

待ってましたとばかりに

風に乗り

技を披露するよう

大きな円を描きながら

ゆうゆうと空を舞う。

頭を上げてその姿に見とれ、

風の朝が少し楽しくなる。

トンビのことを英語では

Black kite(黒い凧)と言うらしい。


2012/09/25

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