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[19011] 散る、カケラ
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

メリーゴーランドに
ふたりで乗ったあのとき
ふさがった右手のことばかり
気にしていたあなたは
左手でにぎる
わたしの右手をふいに忘れた


遠心力のそとがわ
こぼれて飛び散った
恋のカケラ、は
今もなお
観覧車のてっぺんで
あなたを探している
わたしのかわりに


ふたりで
疾走したり
ジャンプしたり
笑ったり、泣いたり、
そのたびにカケラは飛び散って
そこここに点在しては
わたしを困らせた


こぼれたそれを
ていねいにかきあつめる
こと

きらいではない
そうしているうちに
あなたを探していること
をふいに忘れる


あつめたカケラには
ときどき
ほかの恋がまぎれこんでいて
それ以上に
わたしを困らせたりする

2004/10/22

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