ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.38000-38999 > No.38119「ハイジャンプ」

過去ログ  〜 過去ログ No.38119 の表示 〜


[38119] ハイジャンプ
詩人:ヒギシ [投票][編集]

夢の中で揺らいだ影が笑った
僕は水から首を出して
影が泡と絡み合うのを待っていた

思い切り駆け出せば呼吸は乱れて
胸が悲鳴を上げる度
そっと道端で寝転がっては
先を越す雲を数えた

卑怯にも 不器用を理由に
マイペースなペース配分
微笑んで可愛がってくれるのは
決まって他人だった

顔を出したばかりの太陽が
反対側へ沈む前に
やって来た雲が覆う前に
視界の開ける坂の上まで行きたい

夢の中で揺らいだ影は
僕の隣で笑わなかった
乱れた呼吸に絡み付くように
さり気ない鼻唄うたってった

坂道の向こうに海は見えるかな
絶壁だって構わないから転がり落ちたい
狂おしいまでの抱擁を頂戴
ゴールが見えたらハイジャンプ

2005/06/26

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -