彼女はその夜何もかも捨ててしまうつもりだったのです。覚えている事はみんなみんな口惜しさの影で水滴みたいにしとしとと流れて行き…ただただ忘れる事だけが彼女の救いとして許されたのです。
[前頁] [投票する] [次頁]