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[52432] 一夢庵風流記
詩人:はちざえもん [投票][編集]

然々 麦秋の季節
射る陽の眩さよ
時を経る程 田落丁
由故に隣の狩衣に
我が方 未だ欲せず

ゆるゆるゆらる 湯の川に
我が身 館に肘掛けて
旅の懸笠 何処 削ぐ
ゆるゆるゆらる 湯の川の

古今流行の雨笠
笠に興じて露と為す
北より来たりし旅衣
つひに背より追い越しにけり

やがて来たりし白雨に
捕まる前に越えようぞ
身振り 浴衣に振り一つ
自由気儘に 無上人
一人 天下に依らずして
我が命、
一辺の詩と成らんと欲す。

2006/02/12

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