ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.60000-60999 > No.60294「睡眠 依存症」

過去ログ  〜 過去ログ No.60294 の表示 〜


[60294] 睡眠 依存症
詩人:鬼姫 [投票][編集]

いつだって
そう どんな時も
忘れない

穢れた空気に肺を焼かれても
澱んだ水に喉を塞がれても

あの日見た 夢
目覚めて思わず涙した、
あの夢だけを心に縫いつけて

何があっても
失くさないように

私が朽ちても
消えないように

痛々しい現実よりも
甘く突き刺さる夢
選ぶ指先
貴方の姿を写した瞳
忘れないように

ほら

また夜が来る

閉じた闇色の双眸に
巡る物語
偽物の貴方だけど
ぎゅっと抱き締めて

感じる
幸せ

それが造り物だって知ってるけど
全てが満たされていく

それが造り物だって知ってるから
不意に空っぽになる




私は 睡眠 依存症




もう会えないはずの貴方に

今宵も逢うのでしょう


2005/12/20

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -