詩人:鬼姫
いつだって
そう どんな時も
忘れない
穢れた空気に肺を焼かれても
澱んだ水に喉を塞がれても
あの日見た 夢
目覚めて思わず涙した、
あの夢だけを心に縫いつけて
何があっても
失くさないように
私が朽ちても
消えないように
痛々しい現実よりも
甘く突き刺さる夢
選ぶ指先
貴方の姿を写した瞳
忘れないように
ほら
また夜が来る
閉じた闇色の双眸に
巡る物語
偽物の貴方だけど
ぎゅっと抱き締めて
感じる
幸せ
それが造り物だって知ってるけど
全てが満たされていく
それが造り物だって知ってるから
不意に空っぽになる
私は 睡眠 依存症
もう会えないはずの貴方に
今宵も逢うのでしょう