| 詩人:松尾 優月 | [投票][編集] |
みずたまりを蹴りうつむくなら
揺れる波紋があたしを歪ませていました
窓際の花瓶に挿した花を想うと
降る雨の着水点はまあるくて
本当にまあるくて
あたしたちの揺れる心も
その水溜りの世界の中だけでも
空から降る生命の一滴で内側からでしょうか
包まれたいと願う六月の憂鬱
湿度は高めの部屋ではあなたという
世界を閉じ込めた花瓶に水の揺らぎはありますか
血流はありますか
散らない花びらが言うの
つれてきてください雨を
たくさんの涙でもいいのです
つれてきてください
それがあたしの情態に想わせ想像すること
思い込ませること信じること
そして事実を知ることになるなんて
あたしたち雨降りの地球ぐるぐるまわってたの
そして時折のやさしさに出会い
きびしさを感じながらも涙の海にかこまれていたの
なんかあたしたちゆらりとしたなかで
こまかしかったんだねざわざわだったのよ
くだらない台詞と映す自然の鏡に
いいえ。あたしたちが揺れてまわるの
涙なんてここにたくさんあるの
息荒くても海をなぐさめていた季節に
ゆびさきだけ繋ぐ言葉をほしいまま
泣きじゃくる窓をあけたら
帰る場所を忘れない低い空がありました
たくさん在りすぎた窓際から見た
あの水溜りに映っていたのはなんだったかしら
いつからでしょう故郷は
固定された場所ではなく感情をもつ
人となって存命しているのでした
あなたのために静かにしていれば
精神を包んでくれたのかしらそれとも
そこまでやさしくできない
そう大地から離れてしまった茎かしら
雨雲のようにあたしは混ぜていたい
たくさんたくさんの色をまぜて
汚れた色になってしまうでしょう
あたしたちの中に雨は降り
塩分濃度をいくら薄めたところで
血液には変わりないのですから
落雷を落とす大きな空が届かないから求めて
草木は伸びるでしょう愛して欲しいのです
雨と涙とは繋がり海と大地とは水平線で繋がり
あなたとあたし知らないことがたくさんね
六月の憂鬱の
そういまはまだみずたまりを蹴りうつむくけれど
揺れる波紋があたしを歪ませていても
窓際の花瓶に挿した花を想うと
六月の憂鬱が悪いことにことにしましょうよ