| 詩人:クジラ | [投票][編集] |
もう何もかも嫌になって
この街を離れようと思ったんだ
国道をひたすら北へ北へ
見たことのない景色の中
信号待ち
止まった車の窓から見えた
ヒョロヒョロと背の高い
バラの花
床屋の軒先
白い壁に
花びらの赤がよく映えて
ああバラだ
なぜだか嬉しくなって
ああこういうのも悪くないって
アタシはもう少し
この生活を続けてみる気になったってワケ
たったそれだけのことだけど
生きていれば
いいことばかりじゃない
でも悪いことばかりでもないって
今はそう思うからさ
さあ
髪でも切ってくるかあ