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[81667] 床屋と赤いバラ
詩人:クジラ [投票][編集]

もう何もかも嫌になって
この街を離れようと思ったんだ
国道をひたすら北へ北へ
見たことのない景色の中
信号待ち
止まった車の窓から見えた
ヒョロヒョロと背の高い
バラの花
床屋の軒先
白い壁に
花びらの赤がよく映えて


ああバラだ


なぜだか嬉しくなって
ああこういうのも悪くないって
アタシはもう少し
この生活を続けてみる気になったってワケ
たったそれだけのことだけど


生きていれば
いいことばかりじゃない
でも悪いことばかりでもないって
今はそう思うからさ


さあ
髪でも切ってくるかあ

2006/07/21

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