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[83799] 子象
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

幼稚園の頃 動物園で子象の背中に乗せられた

何か勿体のないような順番待ちの中
僕は誰かに両脇を抱え上げられると
ただ突然に空へ
ほうり投げられるように跨がされた

両手に触れたその背中は
ひび割れた皺が渇いた大地のように生温かく
その生えた毛は 痩せた土地の草のように疎らで

上から見下ろした 親や見物人達の よそよそとした期待の様子の遥か高く 遠くにある その土地…

海の向こうから連れてこられて
何が分かっていた筈も無いその子象との出会は
ぞんざいな記憶だけを僕に宛てがい
どうにも釈然としない感触は ただこの手に
今も遠く蘇るばかりだ…






2007/12/15

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