空車に手を挙げて
声を押し殺して泣いた

おそろいの着信音
『帰って来て欲しい』と
受話器からの君の声


その前に何度も
振り返り
走ってくる君の姿を
待ってたんだよ

出会った時と同じ
冷たい雪の日に

私のとは
比べ物にならない様な綺麗な手を
君はポケットの中で暖めながら

一瞬、気付かないふりして
すれ違うのを躊躇って立ち止まった



出会った時と同じ
暖かい雪の中

逢いたくて
逢いたくて
逢いに行けば
何も言えなくて

逢いたい同士が
何も言えなくて
傷付け合ってた


出逢った日と同じ
冷たい雪の中

サヨナラを言う事しか出来なくて
傷付け合ったまま

それでも待ってたんだよ
振り返れば
君が走って
追い掛けてきてくれる気がして‥