詩人:松尾 優月 | [投票][編集] |
あのふるさとは、お百姓さんが作ったんだ。あの木やこの木、休憩できる、大きな、大きなあくびのできる、
木陰が欲しかったからさ。
あの段丘だってその先に綺麗な秘密の基地があるけれど、それだって内緒を大切に作られた、
聞いて下さい。
田舎にあります。
あたしの住む田舎はすべての
皆様方の言われた田舎は
お百姓さんやその家族が村人となる前に
少しずつ手を加えた庭園なの。
ひとつひとつ、意味を持たないものはないからさ。それは、秋。冬。春。梅雨時。夏。巡れば、幸いに触れてください。
すべてではなくてよいのです。
早朝。
土を弄れば自然を造っていた。
ねえ、
幸いに触れてください。
少しずつでよいのです。
かたちづくられたあたしたち自身さえもひとつひとつの種子より密な単位で感じてしまうことができるから。
ね。感覚て良いな。