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[84543] なめくじら
必要な人を
失う度に
迷路は増えて
経験は
地層のように
重なってはくれない
三半規管は
チリチリと
スパークしたまま
バランスがとれない
体を伸び縮みすれば
歩けることは
知っている
遥かな大地で
辛うじて
繋がっているという
途方もない
想いだけが
塩で溶けかけた
ナメクジの動力源
かたつむりには
なれない
背負うべき
殻が退化するなら
2006/08/29
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