ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.86000-86999 > No.86025「白む」

過去ログ  〜 過去ログ No.86025 の表示 〜


[86025] 白む
詩人:松尾 優月 [投票][編集]

季節は
ずれてしまい。
夏は
秘密裏の獅子舞と天狗
神楽のパクリから逃げ出すなら
無理やりにでも掴んで
やらなければなりません。
那加武羅様。龍の彫り物は
2つ並ぶものを見つめています。
その階段下には
桜清水があります。

秋雨と狭霧につつまれた谷間
渓谷の季節は、金色に満ち、溢れてしまう。

遠く、槽は、深くあるはずなのに
どうしても、あふれてしまう

翆煙の葉先、ないている。
姿の確認は出来ない蛙、声だけで伝わります。
それは、降りみ降らずみの空に不安感ばかりで、
菜種梅雨とは違い、突飛であるから、葉隠、したくなるのです。

風霜であっても
悴ける手でさえも包み込めるつもり。

浸した鰭、鰭、鰭。


ねぇ、三寒四温を繰り返してばかりで、風邪ひいた、かな?
ねぇ、日向水ではないのでしょう、浴槽冷製、金魚、なの?


窓際、探照燈月。
夕漁りの鳥が鳴いて、
警戒線を越えてきます。

詩歌が、だれかしらの、
詩歌がきこえます。
惑わされてはいけない!

渓谷の霧。
溢れ出した想いは、
温めて、槽に返して、
今は狭霧になるの。

そして、冬物を纏い
空間を越えていきます。

2006/09/19

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -