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[90038] 手紙
詩人:じぇん [投票][編集]

君と出会ったのは
風が冷たい時だった



覚悟はしていた
むしろ君は
僕と知り合うずっとまえから
死に向かって
歩いていたんだね

自分の病の事を
うつむき話してくれた夜
恥ずかしいくらいに僕は
自分の事しか考えていなかった

でも今ならわかるよ
いや今だからわかるよ

日に日に痩せて行く
君の体
それでも僕より輝く
君の瞳

時間の残酷さ
自分の愚かさ

そのすべてが今
心地よかったはずの
あの風に乗って
僕を切り刻む


君と出会ったのは
風が冷たい時だった

2006/11/24

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