ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.90000-90999 > No.90060「ひとりでに」

過去ログ  〜 過去ログ No.90060 の表示 〜


[90060] ひとりでに
詩人:山羊 [投票][編集]

病室の窓から
雨が落ちる煉瓦歩道へ

星の線路ができた夜
風力発電の風車の丘
背中張り詰めた猫

閉ざしていたパズルの一部
わかるのはあの古い曲
あの家のピアノで
もう燃えてしまったけど
悲しい顔してるね
僕は何ともない
本当さ

無くしたものは無かったよ
気のききすぎた台詞
あの部屋で
もう思い出せないけど

わかってるのは
風車の存在感と猫の存在感
それだけ
いまでも鮮明に

閉ざしていた宝箱
鍵なんて
首にぶら下がってるよ
ほら 子供じゃあるまいし
一人で外せる

病室の窓叩く雨
やけに大きく聞こえる

やけに大きく

2006/11/24

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -