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[92182] 向こう側の景色
つめたい雨が降る朝
おはようの真っ白な息
明けていく一日の
静かな足元に寄り添い
傘を開いて坂をのぼる
ある日の始まりのなかで
ある年の終りを思う
サザンカが雫と一緒になり
ぱたぱたと花びらを落とした
この雨が遠くの町へ
静かに静かに去るころには
長かった一年が、過ぎて
この朝のように新しく
塗り替えられてしまうのだ
まだ降っていて、もう少し
まだ坂の先が見えてこない
2006/12/26
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