| 詩人:黒木ミニー | [投票][編集] |
リベラにはホセが巻き付いていた。何故そうなったのかはわからないが、気の遠くなるような長い長い時間をかけて二人は巻きあってしまったのだろう、このリベラは転生を繰り返したせいか無数の穴が開いてしまっていて、そこからピッコロ色したうどんが絶え間なく流れ出している、(おそらく誰も見たことのないこの光景は俺のトラウマになることだろう。)黒いのと白いのが交わり緑色したうどんが流れては床に消えていく。俺は扉を閉めて酒場へとむかった。このような場所にいてはならない、絶対に。まるで二人は苦にもならないといった表情でお互いを見つめながら巻き付いていたのだ。
酒場に入るとマンモスが暴れていたので後ろから蹴りあげてやる。マンモスは鼻からうどんを出し、落ち着き席に座った。俺も席につくとリベラが入った酒が目の前に置かれ、俺はリベラを一気に飲み干した。喉あたりで高らかな笑い声がしていたが、それは疲労のせいでリベラは何も悪くない。マンモスが暴れ、誰もいなくなった酒場で俺たちは二人リベラをやる。マンモスはリベラにかぎると豪快に笑いながら鼻からうどんを出す。俺はホセを思い出し大量のリベラを嘔吐してしまった。ああ、ベネズエラの夜は長い。
俺たちが宿へと帰るとホセは稲妻のように光り輝き消えてしまった。リベラはホセがいた場所に置かれていた青狸を撫で、窓から放り投げた。庭に落ちた青狸は早くも増殖をはじめ、俺は深い溜息をついたあと椅子に腰掛けた。マンモスは毎度ながらもうどんを鼻から出し、青狸の増殖を泣きながら見ている。(夜があけるころには太陽が青狸を消滅させるからだろう。)空も静かに青狸を見つめ、リベラは語らぬ者の名を繰り返し呼ぶ。(彼自身、返事がこないと知っていながら…)ベネズエラの夜は長い、ベネズエラの夜は長いのだけれども、
マンモスは鼻からうどんを出しながらも消えていく青狸を見つめ、朝までただ泣き続けていた――。