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[93253] 反旗
詩人:千波 一也 [投票][編集]



掲げられている、

無表情


ときおり

風につられて

わらいもするが

恥じらえもせず恥じらっている



そらへと挙げた小さな拳は

ささいなものほど

守りぬけるのに


もう、

ささいなものすら許さない



傷つかないためには

傷つけること


でもそれは

だれかにとって

やさしい語りになりうるだろうか



吹かれるだけの、

無表情


ときおり

風につられて

うたいもするが

聴かせあぐねて疲れ切っている


孤独とはぐれて

ただよって


歓迎とも

決別とも

取れるかたちで

ただ、風に


2007/01/10

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