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[94214] 最果ての世界
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


僕は、そうだ

夢に見た 確かに見た

届かない星を掴もうとするかのように

ずっとずっと追い求めていた

醒めぬ眠りの中

僕は永遠に覚めることのない世界の中夢を見た

それは、世界の最果てに行った夢

荒れ果てた世界
崩れ落ちた人家や建物の残骸
異臭をはなつ人々の腐った死体
空にはいつまでも降り続く紅い雨
夢を見ることを忘れただ途方に暮れ唄う哀れな詩人

その詩人は僕であり
僕ではない

言うなれば
僕自身の影だ

そして
夢から覚めたとき
僕はみる
世界の本質を
世界の本性を
世界の醜く酷なる姿を。

2007/01/20

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