ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.95000-95999 > No.95101「氷の結晶との対話」

過去ログ  〜 過去ログ No.95101 の表示 〜


[95101] 氷の結晶との対話
詩人:morning star [投票][編集]


氷の結晶がどこからか舞い降りてきて ぼくにこう尋ねた‥「きみ、幸福かい?」
「そうだね、わりと幸福。まだ生きることが出来ているから。まだ生きようとおもえているから」

ぼくはそう答えた。


氷の結晶がどこからか舞い降りてきて ぼくにこう尋ねた‥「きみは今笑えているかい?」

「そうだね、笑える時はよくあるよ。一人のときがほとんどだけどね」

ぼくはそう答える。


氷の結晶がどこからか舞い降りてきて ぼくにこう尋ねた‥「きみは今なにが悲しい?」

「そうだな、ぼくがぼくを越えられないこと。それが一番悲しい」

ぼくはそう答えた。


氷の結晶がどこからか舞い降りてきて ぼくにこう尋ねた‥「きみはこれからどうするつもり?」

「そうだな、ぼくはぼくになるつもり。ぼくはぼくを極めたい。ぼくはぼくになって幸福になる」

ぼくはそう答えた。



氷の結晶はそれをき聴くと妙に納得して、微笑みとどこかへととおく舞っていってしまった。


ぼくは答えた。

「きっと幸福(そう)なれるのさ」。。。





2007/01/31

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -