| 詩人:松尾 優月 | [投票][編集] |
未だに、来ない。と、
つぶやく少年は、
見上げ、
ふたつでひとつ。と、
満ちはじめた、月を、
少し、触してみたり、している。
遠く、
春一番をまとい、
なびかせた髪、少女。
懐かしい、香り。を、はこぶ。
夜。には伝えたい言葉が、
たくさんある、から。
少年は少女を待つ。
この、季節。の、ながれ。
ゆびおり、星。かぞえあげたなら、
春の訪れに、水彩絵の具。
菜の花の、蕾、揺れるだろう。
芽生えの機会を、待つ。
少女の予定は、確定と、
両手で放つ空には、
浮遊から飽和した、
涙を編みあげた、翼。
歓喜と風。の、色合いは、
蒼窮を仰いで。
羽ばたきと、した。
(つないだ手なら
(ひろがってゆくの
(星からのばしたなら
(つなぐ地図のように
(すてきでしょう
触れたいまでの、続く。しろい息は、
祈り。とした、空に向かい流し、
少女へと、繋ぐ。
道標としたなら、
背中に羽根のある、鯨。
すぐ後ろに、
山羊の白い、翼。
地に、足。ついたなら、
(おかえりなさい。
少女と少年を、
つなぐ、手と手。
歩む、春が、
菜の花を、咲かせる。
それは、
(ゆうひ。
(しずみ、きる、
(ま、で。
(なの、だけれど。
と。それであっても、
ふたりは、微笑んでいる。