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[98563] 
詩人:遥 カズナ [投票][編集]


道路脇へ車を止めると

夜のフロントガラスの雨は過ぎ去る ヘッドライトやテールランプを溶かし

まばゆいステンドグラスの物語は
渦巻く万華鏡の縁を零れ
さんざめく銀河の賛美歌が響きわたる



「科学でも 光の正体は 未だに解き明かされてはいないのだという…」




ため息に曇る霜をぬぐい
プリズムのスペクトルから覗く完璧な虹の悲運は

どんなにか目を凝らしても感知できぬ視覚




海の潮騒に似た
深呼吸は 繰り返し打ち寄せ

ただ遠くへと 去ってゆく




「光の正体は 宇宙の真理の核心部分なのかもしれない」




けれんみなど知らない
素敵なスピードの水しぶきに覚まされ

ようやくエンジンキーを
ゆっくりと 静かに回す

すべからく

光と

相対しながら

2008/08/14

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