詩人:c_b
早足な人達を追い掛けて生きてきた
進む日足も急いでいるようで
好きだった赤い帽子も、向風で飛ばされてしまった
僕はいつも前だけを見て走っていた
振り向いたら転んでしまいそうで
好きだった赤い帽子は、雨に濡れて色褪せていた
肩を叩かれて僕は転んでしまった
空は青く、雲は白くて、其処には君が立っていた
明日見る景色が違っても
足跡が雨に消されても
その笑った顔が見たいから
君に逢いたいから。僕はこの道を歩いていく。
忘れていた街の景色も、笑顔の感触も思い出した
好きだった赤い帽子をかぶり、僕は再び走り出す