詩人:乙
全く以て、憎々しいのは、彼の様な下賤の輩にも、
わたしと同じ、赤い血が流れている、という事だ。
なんとも馬鹿らしい。
無能で下等な生物である癖に、図々しくも、
"終わり無き人生"なんぞを求める──
そんな輩が、此の世界にはびこって居る事実が、不快なのだ。
わたしが信じる唯一つの死生感、
其れに反するものである、彼らの其の思考が、
こんなにも、わたしを不愉快にさせるのだ。
どんなに不平等な世界で有ろうとも、
回り来るのは、生と死よ。
終わり無きものなど、此の人の世に、有ると云うのか?
……人間は、愚かしい。
嗚呼、終わりが巡って再び来る始まりに拍手を!