詩人:あやめ
「また、今度」
そう言って別れる。
私はこれが一生の別れだと決心していた
帰りの電車で
あなたとの思い出をたどる
自然と涙が溢れた
溢れる涙はもう止めることもできなくて
ただただ溢れるばかり
これまでにも好きな人はいた
あなたが初恋というわけではない
でも、
あなたとの別れがこんなに苦しいなんて
こんなにも苦しいのは初めてだ
決して手に入れることのできない人
私が手に入れることは決して許されない人
それなのに、それなのに
どうして私はあなたに心を奪われてしまったのだろう
私は必死で思いを隠そうとしていた
気付いてほしくなかった
あなたの幸せに私の思いはただの邪魔だから
あなたには幸せでいてほしいから
さようなら、さようなら
家に着くと、
顔には乾いたすじが2本、できていた