詩人:健吾
冬の花火が二人を照らす
月の光が雪に跳ねて仄かに明るいこの丘で
二人を照らす
この約束の場所で二人を照らす
それはまるで
儚い夢のように
それはまるで
夢の終わりを告げるように
二人の花火は散っていく
それでも二人は微笑んで
「綺麗だね」
と言った
そう、人も花もそしてその花火も
“終わりあるもの”
だから一番輝く時を持っている
儚いモノこそ、
輝けるトキは美しい
「またここで逢おう」
二人は約束をして、それぞれの道を歩んでいく。
手には一本の線香花火をもって…
2004/05/12 (Wed)