詩人:亜子
バステルブルーの
いくつもの驚きを含んだ
はじけるスウィートドロップ
硝子細工の小瓶から
きみがくれるドロップを
僕はとても愛してた
何度舌でころがして
いつからか味が消えても
苦みのむこうに
雨上がりのような
目が覚めるほど胸のすく
薄荷味が見つかるのを
待っていた
それだけを待っていた
黄色信号が点滅する交差点でなくした小瓶の蓋を
とりに行ったきり君は戻らない
独りよがりのなかで
歯をたてれば
ドロップが
ころん とないた
噛み砕こうか
いっそのこと
いやまだ砕かない砕けない
2006/06/22 (Thu)