詩人:メルキオール
意味のないことばかりを考えて、
ひたすら妄想に沈む木曜日。
ここ最近つけたままの換気扇が、
真っ暗な部屋の中で唸っている。
カーテンを少しだけ開けて外の世界を覗き見れば、
急に不安になって眠ったふりをしてみた。
窓の外には壁があるだけだと知っていたのに、
そこには何もないとわかっていたのに。
昨日僕は、
誰にも届かないのに、
精一杯の嘘をついた。
僕の中で消化されるのに、
精一杯の嘘をついたっけ。
虚ろなまま見た笑顔の意味を探している。
何故かひどい気分でしゃがみこむ。
築き上げた世界で強いふりをする僕の悔しさは、どの空に還したのだろう。
無意識のままで離したから、誰かに寄り添ってしまわないか心配している。
まばたきの瞬間、
誰にもわからないのに、
心を奥に隠そうとする。
僕にさえわからないのに、
心を奥に隠そうとするんだ。
それが自己満足だと気付いていたのに、
意味のないものへ変わってゆくと知っていたのに。
一瞬の間に永遠の秘密を何度も飲み込んで、
色んなことを諦めてしまう悪い癖は、
中2の頃から一つも変わらないままだから、
やっぱり僕は少しバカなんだと思う。
相変わらず情けない僕の将来が見て取れて、
何だか悲しくなってみたり虚しくなってみたりするわけだけど、
一番の問題は、
自分自身を変えようという意志自体がまるでなくて、堕落してゆく僕を斜め上から見下すように眺めているだけの僕が、
それでも構わないと甘えてしまっていることなんだとか、
そうじゃないとかって、噂できいた。
嘘だけど。
そんなこと考えてるうちに、
日は暮れて夜がくる。
涙なんて悲しいときにはでないから、
目が乾いて仕方がない。
頭痛と共に眠りに落ちていく僕は、
明日を見ないために今日を破り捨てた。
そんな、木曜日。