詩人:緋雨
大事に大事に
大事に大事に
穢れも知らずに生きてきた
綺麗すぎる嘘の世界に守られて
汚い現実を知らずに生きてきた
あたしは半分大人になって今まで知らなかった色々な事を知った
汚い事、不思議な事、難しい事・・
その度にもう半分の子供のあたしが死んでいく
だけど
子供のあたしはまだしぶとく生きていて泣き叫ぶの
汚い汚い、と
綺麗な世界の裏側を知った今
あたしはどうやって生きていったらいい?
知らないフリをして綺麗に生きる?
周囲同様黒く染まって闇に堕ちる?
どっちにしろ辛いだけ
何かに嘘を吐いたまま生きることには変わりない
だったらあの時
綺麗すぎる世界が音をたてて崩れ逝く時に
一緒に崩れていなくなってしまいたかった
だけど後には戻れないから
あたしは前に進んでいくしかない
子供のあたしの口を無理矢理押さえつけながら
その目を塞ぎながら
そうやって、あたしは生きてくんだ