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[174600] 母へ、いつもありがとう。

詩人:矢野元晴。




去年の今頃かな。

母と口喧嘩して、

『こんな家、早く出てやる』

そう言い残して、家を飛び出した。





ある程度、貯金していたけど、

想定外の出費で、

毎月貯金を切り崩していた。

自立の大変さを思い知り、

初めて、親の有り難みを

本当の意味で感じた。





首が回らなくなり、

母に事情を告げると、

『大変さが分かったでしょ

戻ってきて、またお金を貯めればいいよ』

想定外の返事だった。





自分が情けなく感じるのと

同時に、母の優しさが胸にしみた。






実家に戻ると

晩御飯が盛大だった。

『ご飯もロクに食べてなかったでしょ?

こんなにやつれちゃって。。

これから、いっぱい食べさせてあげるから。』

また、涙が出そうになった。






仕事から帰ると、

寝込んでいる母の姿。

『ちょっと今日は体調悪くてね』

それなのに、お風呂を掃除してくれたり

晩御飯を用意してあったりと、

『ありがとう』だけでは物足りなく感じた。













『母さん、肩揉んであげるよ』


母は、嬉しそうに背中を向ける


久しぶりにみた母の背中は


すごく細かった。


揉む代わりに、その背中を優しく撫でてあげた。










2012/03/01 (Thu)
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