詩人:理恵
あの日の私が泣いている
お前も私を置いていくのかと
産まれたときから一緒だった
一心同体で過ごしてきた
ずっと、それが続くと思ってた
あなたはあたしを苦しめていたと言うのに
寂しいものだな
あなたを慰めながら
共に行けると思っていたのに
幼い記憶は一緒に行けないらしい
あなたは苦しい記憶の中で、苦しいまま
まるで、乗り込んだ列車が
勝手に動き出すように
ホームに残されたあなたと繋いだ手が
離れていくように
これが別れになるとは思わなかった
まだ、寂しいと思う気持ちが引き留めているけれど
きっとあたしはすぐにでも動き出せる
その準備はできている
あなたはあたしを恨むだろう
一緒だと思っていた二人は、一緒じゃなかった
ただ、一つ
あたしは名残惜しいよ
それでも首にかけた輪がちぎれたとき
この運命は約束されていたんだ
本当はあなたも連れていきたかったよ
でも
もうすぐ発車のベルが鳴る
2017.12.14