詩人:老女と口紅。
小学校からの帰り道
脇道にそれ
しゃがみこむ
一人で帰るランドセル
みんなの背中を
追いかけた徒競走。
がむしゃらに
もがいても
あがいても
追いつけなくて
息ができない‥
/
べったりと張り付く
あの感覚が
今も
僕をだめにする
のしかかる悪夢に
押し潰されそうで
それが突然沸き上がる時
不意に目を固くつぶる
そして
黒い太陽が昇り
息ができない‥
息ができぬまま
生きをする
長い
トンネルへと
また
墜ちてゆく
そぅ
あの日
独りで帰る
ランドセルのように‥
2009/10/21 (Wed)