詩人:千波 一也
鳥の巣を憎らしく見つめた夕暮れに山の向こうで落雷があったという鳥の巣の落下をねがった昼下がり無人の家屋が荒らされたらしい鳥の巣が天敵に襲われるさまを夢想した夜わたしは微熱に見舞われた鳥の巣に試しに小石など投げつけた朝空には晴れ間が見えてきた鳥の巣へ親鳥がもどる夕暮れにわたしは長々電話の途中鳥の巣と関係のない日のあれこれがあちらこちらで雛となる