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詩人:あいる
ぬるいぬるい白昼夢に浸る
鍵盤を優しく叩きすぎて
ピアノから音は聞こえずに
いつまでも眺めていたい
風の行く末
人の末
海の香りが踊る
香りは強烈に記憶を呼び覚ます
膝こぞうまで
登ってきていた蟻を
フッと一息で飛ばした
風に乗って蟻はゆらゆらと
飛んでいった
君の真似して弾くピアノ
意味も無くして弾くピアノ
聴いてくれる君が欲しい
清々しい風に乗せて
届けたいはずなのに
こんなにも
穏やかな気分なのに
風に舞って愛はゆらゆらと
漂っていた
鍵盤を優しく叩きすぎて
ピアノから音は聞こえずに