ホーム > 詩人の部屋 > あいるの部屋 > 君の真似して弾くピアノ

あいるの部屋


[107] 君の真似して弾くピアノ
詩人:あいる [投票][得票][編集]





ぬるいぬるい白昼夢に浸る






鍵盤を優しく叩きすぎて
ピアノから音は聞こえずに






いつまでも眺めていたい
風の行く末
人の末







海の香りが踊る






香りは強烈に記憶を呼び覚ます








膝こぞうまで
登ってきていた蟻を
フッと一息で飛ばした







風に乗って蟻はゆらゆらと
飛んでいった






君の真似して弾くピアノ
意味も無くして弾くピアノ






聴いてくれる君が欲しい







清々しい風に乗せて
届けたいはずなのに






こんなにも
穏やかな気分なのに








風に舞って愛はゆらゆらと
漂っていた









鍵盤を優しく叩きすぎて
ピアノから音は聞こえずに



2006/07/05 (Wed)

前頁] [あいるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -