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[164027] 僕と彼

詩人:EASY

農薬にまみれた野菜を
僕は美味しく頂いた

そしてきっと

無農薬野菜を使って作られた
有名な料理人の料理も

僕は美味しく食べるだろう


僕は比較的味には疎く

大抵のものは
美味しく頂ける

僕が不味いと言った料理は致命的だと言えるだろう


そしてそれは同時に
僕の特権でもある


それは丁度

ミシュランの3つ星の様なものであり

凄腕の料理人の特権の様なものである





彼のお墨付きを貰えたその料理が
本物であるのなら

僕のお墨付きが貰えないその料理は
偽物であるからだ


彼は簡単には
美味しいとは言わないが

僕は簡単には
不味いとは言わないのだ


どちらも同じように
簡単ではないのだ


どんなものでも美味しく料理する料理人と

どんなものでも美味しく頂ける僕は同じ様なものであり


つまりは
良きライバル関係にあるのだ


ただ普通のライバルと違う所は

切磋琢磨は出来ない事だ



そして密かに
僕は彼に勝つ自信がある

美味しいものを沢山頂けるというフィールドの上でなら

僕は密かにではあるが
彼に勝つ自信がある


しかし

同じ様なものである
僕と彼の間には

決定的な違いがある

それは同時に

僕から彼への
申し訳のなさである


彼は努力してるのに

僕は何もしていないのだ


それは丁度

夜空に輝く3つ星の様なものであり

地球の地球人の特権の様なものである

2011/01/08 (Sat)
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